黒鉱、グリーンタフ
黒鉱あるいは黒鉱鉱床は戦後日本の鉱業界に希望と活力を与えた。福島県会津地方は秋田県とならんで黒鉱鉱床が発達した地域であり、昭和40年(1965)当時、会津の鉱山に働く従業員は3,000人を数えていた<1>。
東北地方の鉱山に触れるとき、必ず“黒鉱”と“グリーンタフ”なる用語に出会う。“黒鉱”は日本固有の鉱石であり、国外においてもkurokoの英語名で通用する。そしてその黒鉱はグリーンタフと呼ばれる地域に分布する。図Y-0にグリーンタフ地域と黒鉱鉱床を示す。その中で横田鉱山(および田代鉱山)は他の鉱山と共に著名黒鉱鉱山と記されている。
過疎で豪雪地帯の金山町
横田鉱山があった金山町は、福島県西部、越後山脈を挟んで新潟県に接し、奥会津と呼ばれる地域にある。金山町は現在、全域過疎であり<2>、高齢化率が全国二位<3>、特別豪雪地帯<4>、全域振興山村・特定農山村地域<5>、辺地に指定され<6>、乏しい産業と過疎の進行が最大の課題となっている。
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横田鉱山をまとめるに当たっては『金山町公民館報』および『広報かねやま』に多く依存している。これらは、『広報”かねやま”縮刷版』(金山町、1977年)を参照した。
<1>
佐藤一男『ふくしまの鉱山』(歴史春秋社、2005年)187頁。
<2>
「福島県過疎地域自立促進方針」(平成22年8月福島県)2頁第1表 http://www.pref.fukushima.lg.jp/download/1/tiikishinkou_kaso-houshin.pdf。
<3>
「市町村の現況について」(総務省)9頁 http://www.soumu.go.jp/main_content/000196964.pdf
。
<4> 「豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定(平成26年4月1日現在)」(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/common/001029280.pdf
。
<5>
「旧町村別振興山村・特定農山村地域指定状況」(福島県農村振興課) http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/58012.pdf 。
<6> 「福島県市町村要覧2014 地域指定一覧表」 http://www.fksm.jp/youran/arealist.html 。
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