2021年6月12日土曜日

友子(制度)の復習

青木葉鉱山の「坑夫取立免状」に書かれている内容について、自分なりにキチンと確認しようと思うと、「友子」についてもう一度きちんと勉強する必要があり、資料を読み直すこととした。手持ちの本やネットから集めた資料を読んでいるのだが、村串仁三郎の重要な本を部分的にしか読んでいなかったことに気づかされた。通教の卒論に取り組んでいたときは戦後の鉱山に関心が向いていたので、戦後にはほぼ消滅した友子については関心が薄く、鉱山史概要を捉えるだけの動機で上辺だけを追いかけようとした嫌いがあった。

2016年に書いたブログ、「20160708 日本の鉱山の概要⑧-鉱山で働くということ(3)」に友子を記しているのだが、中身は浅く、正確さに欠ける。例えば、「日立鉱山にだけは友子が戦後まで残り」と記したがこれは正しくない。日立鉱山以外にも戦後も存続した鉱山や炭鉱があった。また、「幕末に「友子」、近代には「友子」制度となり」とも書いているが、こう断定できるものではなく、「友子」「友子制度」「友子組合」などと論者によって呼称は異なっている。
当時はその安直さの中にも知った気分に陥っていたと思うと反省とともに恥ずかしくなる。少なくとも冒頭の「坑夫取立免状」を読む上でもう少し深く友子について知ろうと思う。

村串仁三郎の重要な本というのは下記のもので、図書館から借り出すのも面倒だと思っていたら比較的安価に古本を購入できた。届いてすぐに頁を開いた。もっと早く読んでおけばよかった。

 <村串仁三郎 『日本の鉱夫-友子制度の歴史-』(世界書院、1998年)>:著者自身が「『資本論』から鉱夫の歴史・レジャー・国立公園の自然保護史の研究へ()」で述べているように、著者の「これまでの友子研究を総括して書きおろし」たもの。

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