2023年3月1日水曜日

鉱山小説?

 下記の記載はもうひとつのブログより移動したもの。

小砂川チト 『家庭用安心坑夫』(講談社、2022年)>:『朝日新聞』202324日「(旅する文学)秋田編 美も冒険も、雪が生み出す物語 文芸評論家・斎藤美奈子」に次の記載があった。「鹿角市で生まれ、今は東京で暮らす主人公の小波はある日、東京で「父」の痕跡を見つける。母に〈あれがあなたのお父さんよ〉と聞かされてきた人の名は尾去沢ツトム。同市内の廃鉱山を利用した施設「マインランド尾去沢(現在は史跡尾去沢鉱山)」の坑内に、坑夫の姿で展示されたマネキン人形(!)だった。小波は「父」を連れ出そうと決意する。現実と幻想が渾然一体となった作風はシュールかつポップ。鹿角市は即刻ご当地文学に認定されたし」。
「ご当地文学に認定」は言い過ぎであろう。ご当地の人たちにすれば、この小説は何だかわかんねぇというのが落ちではなかろうか。
「鉱山文学」とあったので購入したが、「シュールかつポップ」なこの「鉱山文学」小説には全く惹かれなかった。ただ9年前の5月に訪れた”マインランド尾去沢”の閑散とした駐車場と廃鉱となった鉱山跡の風景を思い出させてくれた。
65回群像新人文学賞受賞で第167回芥川賞候補昨。後半に入ってからは読むのが嫌になり斜め読みして本を閉じた。